自主制作の作例

制作見本として自分で書いた台本です。工務店・人物・地名・お宅の状態はすべて架空で、実在する企業の依頼で作ったものではありません。

VIDEO SCRIPT

YouTube台本の作例
(本編9分30秒+ショート60秒×2本)

架空の地域の工務店チャンネル向けに書いた台本です。映像・ナレーション・テロップを1シーンずつ横に並べたので、編集の方は台本だけで作業に入れます。サムネイルの文言案と概要欄も付けました。

チャンネル
架空の工務店「ささなみ木工舎」(架空の町・ささなみ市)
本編
9分30秒・8シーン。ナレーション約2,100字を1分250字ほどで読み、現場を見せる間を足した尺
ショート
60秒×2本(本編へ案内する入口として)
付属
サムネイル文言3案・タイトル案・概要欄・チャプター

想定した依頼

依頼主は、架空の町で家づくりとリフォームを請け負う工務店です。「地元で家を持つ50〜60代に向けて、相談のきっかけになる動画を月2本出したい。売り込みの色は薄くしたい」という想定で書きました。

話し手は社長の木下さん(架空)です。現場は長いけれど、カメラの前で話すのは得意ではない人を想定し、読み上げやすい短い文で組んでいます。

企画メモ

この回で視聴者に持ち帰ってもらうこと

本編の企画メモ
タイトル案築30年の家は建て替えかリノベか|床下と屋根裏で見る分かれ目
(予備)あと20年住む家、建て替えとリノベはどっち? 築30年の実例で比べました
見てほしい人1990年代に建てた木造の家に住み、子どもが独立したあとの住まい方を考えはじめた人
持ち帰ること「どちらが得か」の前に、床下と屋根裏の状態で選べる道が決まる、という順番
見たあとの行動点検口の写真を撮り、概要欄の相談窓口から送ってみる
言わないことどの家にも当てはまる工期・費用の断定。数字はすべて「このお宅の場合」として話す
本編の台本

築30年の家は建て替えかリノベか(9分30秒)

左から「映像」「ナレーション(話し手が読む言葉)」「テロップ」。黄色の欄は撮影と事実確認のメモです。

  1. 0:00–0:30

    つかみ

    映像

    家の外観をゆっくり横に流す。台所の床の点検口を開ける手元に寄る。

    ナレーション

    築30年の家に住んでいて、建て替えるか、リノベーションするかで迷っている方へ。

    どちらが合うかは、家の中の2か所を見ると、だいたい見当がつきます。床下と、屋根裏です。

    どちらを選んでも、大きなお金が動く話です。決める前に、一度は家の中をのぞいておいてください。

    今日は実際のお宅で、その見方をお見せします。ささなみ木工舎の木下です。

    テロップ
    • 建て替え? リノベ?
    • 決め手は「床下」と「屋根裏」
  2. 0:30–1:10

    今日のお宅

    映像

    外観の全景。テーブルに間取り図を広げる。ご夫婦は後ろ姿か手元だけ。

    ナレーション

    お邪魔しているのは、ささなみ市内の木造2階建てです。建ったのは1996年で、ちょうど築30年になります。

    築30年というと、台所やお風呂の設備はそろそろ交換の時期です。外壁や屋根も、一度は塗り直している頃だと思います。このお宅も、15年ほど前に外壁を塗り直したそうです。

    いまはご夫婦お二人の暮らしで、お子さんは独立されたそうです。

    ご相談は「あと20年住むなら、建て替えとリノベのどちらがいいか」でした。答えを決める前に、まず家の状態を一緒に見ていきます。

    テロップ
    • 1996年築・木造2階建て
    • ご相談「あと20年住むなら、どっち?」

    撮影メモ:住まい手の顔・表札・番地は映さない。間取り図は部屋名だけが読める距離で撮る。

  3. 1:10–3:20

    床下で見る3か所

    映像

    点検口からライトを入れる。基礎のコンクリート、土台の木、配管の順に映す。ドライバーで土台を押す手元に寄る。

    ナレーション

    まずは床下です。台所の床にある、この四角いふたから見られます。見るところは3か所です。

    中に入るときは、作業着とヘッドライト、それに手袋を使います。

    1つ目は、基礎のコンクリートのひび割れです。髪の毛くらいの細いひびなら、多くの家で見かけます。気をつけたいのは、幅が広いひびや、両側に段差がついているひびです。そういうひびがあれば、専門の診断をおすすめしています。

    2つ目は、土台の木です。ドライバーの先で、軽く押してみます。ここでへこむようなら、湿気やシロアリで傷んでいるかもしれません。シロアリは、表面がきれいでも中を食べていることがあります。見た目だけで済ませず、押してみるのはそのためです。

    3つ目は、水まわりの配管です。つなぎ目の下の土や木が、湿っていないかを確かめます。

    このお宅は、基礎に細いひびが2本ありました。どちらも幅は細く、段差もなかったので、様子を見ていい範囲です。土台はかたく、配管のまわりも乾いていて、大きな傷みは見つかりませんでした。

    テロップ
    • ① 基礎のひび(幅と段差を見る)
    • ② 土台の木(押してへこむか)
    • ③ 配管まわりの湿り
    • このお宅:細いひび2本、ほかは問題なし

    撮影メモ:床下は暗いのでライトを2灯。土台を押す手元は寄りで3秒以上残す(ショート1でも使う)。

  4. 3:20–4:50

    屋根裏で見る金物と雨もり

    映像

    押し入れの天井の点検口。柱と梁のつなぎ目、金物のアップ。北側の雨染みに寄る。

    ナレーション

    次は屋根裏です。押し入れの天井から上がれる家が多いです。夏場はかなり暑くなるので、点検は朝のうちに済ませています。

    ここで見るのは、雨もりの跡と、柱や梁をつなぐ金物です。金物というのは、柱と梁がずれたり抜けたりしないように留める、金属の部品のことです。

    木造の家の金物や壁の配置のルールは、2000年に細かく決められました。1996年に建ったこの家は、その前の建物です。

    実際に見ると、金物が入っていないつなぎ目が何か所かありました。ここは、リノベーションのときに補強する場所になります。

    それから、北側の屋根の下に古い雨染みが1か所ありました。いまは乾いているので、昔の雨もりを直した跡だと思います。

    テロップ
    • 見るのは「雨もりの跡」と「金物」
    • 2000年に木造の基準が細かくなった
    • このお宅:金物の少ないつなぎ目あり/古い雨染み1か所

    事実確認メモ:「2000年に細かく決められた」は、平成12年の建設省告示(柱・梁のつなぎ方と、壁の配置のバランス)で確認。納品時は確認した資料名を添えます。

  5. 4:50–6:20

    建て替えの場合

    映像

    工程の図解(解体→地盤→新築の3段を順に出す)。仮住まいのイメージとして、アパートの外観を短く。

    ナレーション

    では、建て替えた場合を考えてみます。

    建て替えのいいところは、間取りも断熱も、いまの基準で一から決められることです。そのかわり、お金と時間はいちばんかかります。

    建て替えは、いまの家を解体して、地盤を確かめてから、新しい家を建てる流れです。その間は、ほかの場所に住んでいただくことになります。このお宅の大きさだと、解体から引っ越しまで7〜8か月は見ておきたいところです。

    費用は、新しい家の工事費だけでは足りません。解体費、仮住まいの家賃、それに引っ越し2回分がかかります。建てた時期によっては、屋根や外壁の材料に特別な処理が要ることもあり、その費用も見ておきます。見積もりを比べるときは、この「家の外のお金」を足してから比べてください。

    テロップ
    • 解体 → 地盤の確認 → 新築
    • 工期の目安:7〜8か月(このお宅の場合)
    • 家の外のお金:解体・仮住まい・引っ越し×2
  6. 6:20–7:40

    リノベーションの場合

    映像

    骨組みだけを残した自社の施工例の写真。直す範囲を色分けした図解。

    ナレーション

    次はリノベーションです。柱や梁などの骨組みは残して、内装と設備、それに耐震の補強をまとめて直します。

    リノベのいいところは、建て替えより費用をおさえやすく、慣れた家の雰囲気を残せることです。いっぽうで、家を支える柱は基本的に動かせません。間取りの変え方には限りがあります。

    一部だけなら、住みながらでも工事はできます。このお宅のように家じゅうを直すなら、工事の期間は4か月ほどになりそうです。

    気をつけたいのは、壁や床をはがしてから見つかる傷みです。その分の予備費は、最初から見積もりに入れておいてください。

    テロップ
    • 骨組みを残して直す
    • 工期の目安:約4か月(このお宅の場合)
    • はがして見つかる傷み → 予備費を先に
  7. 7:40–8:50

    このお宅の結論

    映像

    ご夫婦と木下さんが図面を囲む手元。比べ方の式をテロップで大きく出す。

    ナレーション

    2つを比べるときは、総額に加えて、あと何年住むかで割ってみてください。同じ金額でも、20年住むのか30年住むのかで、1年あたりの重さが変わってきます。

    このご夫婦は、あと20年住めれば十分というお考えでした。床下にも屋根裏にも、大きな傷みはありません。そこで今回は、耐震の補強を入れたリノベーションをおすすめしました。お二人も、思い出のある家の雰囲気を残せることを喜ばれていました。

    反対に、土台が傷んでいる家や、間取りを大きく変えたい場合は、建て替えのほうが合うこともあります。

    テロップ
    • 比べ方:総額 ÷ 住む年数
    • 今回の答え:耐震補強つきのリノベ
    • 土台の傷み・大きな間取り変更 → 建て替えも候補
  8. 8:50–9:30

    まとめと次回

    映像

    木下さんの顔に寄る。最後の20秒は終了画面(次回の動画とチャンネル登録の枠)。

    ナレーション

    迷ったら、まず床下と屋根裏を見てみてください。決めごとがないときでも、10年に一度くらいのぞいておくと、傷みを早く見つけられます。

    ご自分で入るのが難しければ、点検口からスマホで撮った写真だけでも大丈夫です。概要欄に、写真を送れる相談窓口を載せておきます。

    次回は、リノベーションの見積書で最初に見るところをお話しします。ささなみ木工舎の木下でした。

    テロップ
    • 迷ったら、床下と屋根裏
    • 写真だけでも相談できます(概要欄)
    • 次回:リノベ見積書の見方

    編集メモ:終了画面の20秒にナレーションを重ねないよう、最後の一言は9:10までに終える。

ショート2本

本編へ案内する60秒の台本

本編の切り抜きにはせず、ショート単体で1つ持ち帰れる内容にしています。最初の3秒は問いかけです。

ショート1(60秒)

床下のふた、開けたことありますか?

ねらい:点検口を「自分でも開けられるもの」と思ってもらう。本編の床下のシーンと素材を共有。

  1. 0–3秒

    映像:点検口のふたを一気に開ける

    「この床のふた、開けたことありますか?」

    開けたこと、ある?
  2. 3–12秒

    映像:床下をライトで照らす

    「台所の床にある四角いふたから、家の健康診断ができます」

    台所の床の「点検口」
  3. 12–40秒

    映像:基礎→土台をドライバーで押す→配管

    「見るのは、基礎のひび、土台の木、配管の湿りです。土台はドライバーで軽く押します。へこむようなら、プロに見てもらうサインです」

    押してへこんだら要注意
  4. 40–52秒

    映像:点検口にスマホを差し入れる手元

    「狭くて暗いので、無理に入らないでください。スマホを入れて撮るだけで十分です」

    入らなくてOK。スマホで撮るだけ
  5. 52–60秒

    映像:木下さんの顔

    「撮った写真で相談もできます。続きは本編で話しています」

    本編「建て替えか、リノベか」へ
ショート2(60秒)

見積書、総額より先にここを見て

ねらい:次回の本編(見積書の見方)の予告を兼ねる。2社を比べている人に届く言葉を選ぶ。

  1. 0–3秒

    映像:見積書をめくる手

    「見積書、総額から見ていませんか?」

    総額から見てない?
  2. 3–15秒

    映像:「別途」の文字にペンで印をつける

    「先に探してほしいのは『別途』と書かれた行です。別途は、この金額には入っていません、という意味です」

    「別途」=この金額に入っていない
  3. 15–38秒

    映像:行を1つずつ指でたどる

    「よく別途になっているのは、古い家の解体、水道やガスの引き込み、照明やカーテンです。足すと、総額が大きく変わることもあります」

    解体/水道・ガスの引き込み/照明・カーテン
  4. 38–52秒

    映像:2社の見積書を左右に並べる

    「2社を比べるときは、別途の行をそろえてから総額を見てください」

    別途をそろえてから比べる
  5. 52–60秒

    映像:木下さんの顔

    「見積書の見方は、本編でもっと詳しく話しています」

    本編はチャンネルから
サムネイル・概要欄

サムネイルの文言3案と、概要欄

サムネイルは文言の案として出しています。写真と配色は撮影素材を見てから決めます。

  • 案A:迷いをそのまま題に検索してきた人の言葉に近い形です。迷っている本人が「自分のことだ」と止まる文言にしました。

  • 案B:見る場所を先に出す答えの一部を見せて、続きを本編で確かめたくなる形です。床下の写真と組み合わせます。

  • 案C:住む年数で問う子どもが独立した世代に向けた案です。「得か損か」より先に、暮らしの長さで考えてもらいます。

概要欄(チャプターつき)

築30年の木造の家は、建て替えとリノベーションのどちらが合うのか。ささなみ市内のお宅で、床下と屋根裏を実際に見ながら比べました。 工期や費用は、このお宅の場合の目安です。家の状態によって変わります。 ▼点検口の写真を送って相談できます (相談窓口のURL) 0:00 床下と屋根裏で決まる 0:30 今日のお宅(1996年築) 1:10 床下で見る3か所 3:20 屋根裏で見る金物と雨もり 4:50 建て替えの工期と費用の考え方 6:20 リノベーションの工期と予備費 7:40 このお宅の結論 8:50 まとめと次回 ※撮影にご協力いただいたお宅の許可を得て公開しています。

※チャンネル名・人物・お宅・相談窓口はすべて架空です。

NOTES

制作した側からの補足

台本を書くときに決めていることをまとめました。

  1. 口に出して読み、つっかえる文を割っています

    ナレーションは読まれるための文章です。1文はおおむね30字前後にそろえ、息つぎの位置で区切りました。話し手の方の言い回しは、1本目の収録を聞いてから寄せていきます。

  2. 映像とテロップを、同じ行に書きます

    編集の方が台本だけで作業に入れるよう、どの言葉の裏で何を映すかを並べました。撮影時に気をつける点も、そのシーンの下に書いています。

  3. 数字は「このお宅の場合」に限っています

    工期や費用は、家によって大きく変わるものです。一般論として言い切ると、見た人の家と食い違ったときに信用を落とします。そのため数字は実例の中でだけ使いました。

  4. 事実の確認が要る箇所には、印を付けて渡します

    法律や制度に触れる一文は、確認した資料と一緒にお渡しします。動画は公開後に直しにくいため、収録の前に確かめておきます。